Solution of solutions

研究者の困りごとをみつけて解決するブログ

人間はもうインタフェースでしかない

朝からコーヒーこぼしそうでした。

 

www3.nhk.or.jp

 

いうなれば、2000万件の論文を記憶して参照できるお医者さんが誕生したことになります。

もちろん、患者さんを直接見ることによってわかる情報などもあると思いますが、

それも、センシング技術の向上で、より定量化されたものに置き換わっていくことでしょう。

論文を読み込ませての学習が可能であるとなると、我々のような業界にも応用可能であると考えられます。ワクワクしますね。

 

その一方で、人間はこれからどうなっていかを考えさせられます。

例えば今回の話でいえば、お医者さんは診断をする必要がなくなっていきます。

 

 

ただ、患者が人間である内は(患者まで人工知能になったらそれはそれで興味深い世界ですが)、やはり、話をする相手は人間であって欲しいという人も多いと思います。

この発想も時代とともに変わっていくと思いますが、少なくとも、

・診察をセンサーと人工知能

・外科手術をロボット

という置き換えよりは、ゆっくりとした移り変わりになるでしょう。

そうすると、お医者様の仕事は、患者へ情報を伝えたり、患者の意見を聞き取りするための、インターフェースとしての役割になるのではないでしょうか。

もちろん、キーボードやマウスにも使いやすいものとそうでないものがあるように(ちょっとたとえが良くないか)、お医者様の知識やコミュニケーション力によって情報効率が大きく左右されることになるでしょう。

ただ、目指すべき場所が、良いCPUになることではなく、良いキーボードになることでは、印象もモチベーションも変わってくるかもしれません。

 

そして、インターフェースになるのはもちろんお医者様だけではないでしょう。

対人サービスを行うところでは、豊富な知識と経験と対処能力ではなくて、

基礎知識とコミュニケーションスキルが必要なインターフェースと置き換わっていくはずです。

対人サービスでない頭脳労働の場合は、どうしましょう、我々も含めて。

 

そもそも、一昔前までは、機械が人間にとって代わるときには、肉体労働だと思われていましたが、これからはそれに倍する速度で、頭脳労働が奪われていくかもしれません。

むしろ、ロボットに関しては、開発コスト、運用コスト、運用スペースなどで、まだまだ人間がとって変われるところが多そうです。

 

まずは筋トレからかな。

 

最先端を追うということ

メーカーの人間とはいえ、研究者のほしいものを作るには最新の情報をキャッチアップしなければなりません。

 

しかし、自分の得意分野(あるのか?)の情報と同じようにはするすると集められないのも確かです。

だいたいが、ニュースサイトやブログ情報で済ませてしまうことになります。

本来であれば、現場に足を運び、研究者にお話を聞き、さらには文献に当たるなどを続けるべきなのですが。

 

そんなことを、先日出たセミナーで痛感しました。

「ああ、この分野は数年後にはこうなっているんだろうなぁ」

と思っていたものが、実は数年前から始まっていた。という事実を知ったからです。

 

まだまだ修行が足りません。

 

未来はそんなに近づいてきてはいない

世間的には、AIだ機械学習だと騒がしい今日この頃、いかがお過ごしですか。

いや、今は選挙でしょうか、にしても暑い。

 

少々強引な枕でしたが、未来ってなかなか近づいてこないなぁっていう雑感です。

 

当社もメーカーでございますので昨今の流行りに乗って、

機械学習を使って何かできないか?」

みたいな動きが、、、

 

まったくありません。

 

例えば大きな展示会に行くとします。我々メーカーの人間が、

興味があるのは(物理的な)機械と部品、それと動きのギミックだけ。

ほんとは隣でVRとかAIとかそれと連動した機械部品とか出てるんですけど。

 

そんなタイプの中小企業、多いと思います。

理由はいくつか考えられます(ただし理化学機器業界限定ですが)

 

一つは、今、応用されつつある技術が、古くからあるメーカーが培ってきた

技術と、一見遠いところにあるからだと思います。

開発の中にいても、「arduinoRaspberry Pi?なにそれ?」

という人も多いです。マイコンになると超強いのに。

 

もう一つは、危機感や焦燥感でしょうか、

どの業界も最近は好不調の波が大きく見えますが、

理化学機器業界は、大学や企業の研究費がマーケットになるので、

そこまで大きく変動しません。

研究費総額は少々落ち気味のようですが泣、とはいえ他業界の波に比べれば、

かわいいもんです。

落ちる不安も伸びる焦りもなければ確かに新しいものへの欲も減ります。

 

他にもたくさん理由はあると思いますが、

現場の感覚としてはこの2点かなと思います。

 

結論としては、

最近のVRなどの熱狂ぶりは未来が近づいた感があるが、

実際は、自分から近づかなければ本当の未来はやってこない!!

 

です。

 

 

 

 

 

PPDACサイクル?PDCAじゃないの?

横文字ばかり並べると怒られ(誰に?)そうですが。

 

前回も書きましたが、研究者が何に困っているかにいつも思いを巡らせています。

symot.hatenablog.com

知り合いにも研究者は何人かいますし声を聞きに行ったりもします。

しかし、そう簡単には見えてこない。いやほんと。困っちゃう。

打開策が見えないと私含め頭の硬いメーカーの人間たちは、

ふんわりした言葉に頼ろうとします。例えば、ビッグデータとか。

 

ああ、奇特にも当ブログまでお越しくださった方の苦笑が見えます。

まぁ、しがないメーカーの考えることですから、ありきたりかつちょい古い

というのは仕方のないことです。

 

ということで、データを利用するにはとつらつら入門ガイドを見ていくと、

PPDACサイクルというのが目に止まりました。

PDCAサイクルなどは、メーカーですからカイゼンと同様に有名な単語ですが、

こちらのサイクルには聞き覚えがありませんでした。要点を抜粋すると、

<P> Problem=問題を見つける

サイクルの最初にあたりますでしょうか。問題がないと何も始まりませんから。

<P> Plan = 計画

どのように進めていくかを立てます、これはPDCAと一緒ですね。

<D> DATA = データ収集

計画を元にデータを集めます。

<A> ANALYSIS = 分析

Problemの段階で見出した問題点を中心にデータを分析します。

<C> Conclusion = 結論

分析を解釈します。そして新たにProblemを見つけ出します。

と、このようなサイクルを回すことでデータ解析による問題の発見や解決を行うフレームワークのようです。

そりゃそうじゃねーか、と言いたくなるような内容ですが、おそらく、この流れを元にして、

データ解析に関するスキルも把握、学習したほうが効率的なんでしょうね。

 

要点のまとめではProblemを最初に置きましたが、Problem = ユーザーの困りごと を見つけられていない我々としては、おそらく既存のデータを解析するところすなわちDかAから始めるべきといったところになると思います。

我々もそれなりにデータをもっているつもりではございますが、はてさてこれから何かよいProblemが見つかるかどうか。

 

 

研究者の困りごとを見つけるということ

普段の業務では、企画・開発を行っています。

大学や企業の研究所で使われるような理化学機器で、

その中でも機械的な動きをするようなものです。

例えば、振盪機やスターラー、遠心機のようなものでしょうか。

 

研究者からすると、単純作業になっているところについて開発を行っているわけです。

つまり、ユーザーからすれば最適化が完了している作業について何に困っているか探さなければいけないことになります。

加えて、開発者は研究者の行っている研究への理解が薄いことがほとんどです。

その状態で何に困っているか、を知るのは至難の業です。

もちろん、こちらもお仕事ですのでいろいろなツールなどに頼ったりします。

 

例えば、昨今流行りの行動観察など。

FIREと呼ばれる行動観察のキーワードがあるらしいのですが、

<F> FACT=事実

「何が起きているか」ですね、当たり前みたいですけど、できるだけ詳細に抜け漏れなく事実を把握するというのは難しい作業です。

<I> INSIGHT = 洞察

事実から得られる仮説のようなモノだと思います。

<R> REFRAME = 再構築

洞察をもとに現状を再構築することで問題を解決します。

<E> EXTENDED KNOWLEDGE = 膨大な知識

上記3つを行うためにはさまざまな分野の深い知識が必要になります。

これらを心がけつつ、対象を観察するのだとか。

とここで、<E> EXTENDED KNOWLEDGE には、当然のごとく、

観察対象が行っている内容も含まれてくるわけですので、

我々の場合にはここが最も困難です。

言うまでもなく、研究者は難しそうなことをやっていて、しかも、

それぞれ違うことをやっているのです。

 

結局は上記のFIREが整うのを待ってFIREするなんてのは(?)現実的ではないので、

七転八倒しながら日々を過ごしています。

 

 

 

 

 

このブログについて

研究者(主に理化学)の困りごとを解決する仕事をしています。

直接できることに限界を感じ、研究者が便利になる情報を発信しようと思い、ブログを始めることにしました。

・研究室が便利になるちょっとしたアイデア

・気になる研究内容

・最近ホットな(気がする)話題

etc

な内容を書いていこうと思っています。

 

なお、個人的な意見を所属する企業とは関係なく発信していきます。

 

どこまで続くかわかりませんが、宜しくお願い申し上げます。